「ANAグループ健康経営」の推進に向けて、課題から指標を設定し、その指標向上に向けて、PDCAサイクルを循環させています。また取り組みの経営に対する影響の分析を行うべく、健康関連コストとして、アブセンティーズム*2、プレゼンティーズム*3のデータを分析しています。
- *2. アブセンティーズム:個人が体調不調やメンタルヘルス不調などを抱え、欠勤や休職、遅刻、早退をしてしまう状態
- *3. プレゼンティーズム:出勤していながらも、体調不良やメンタルヘルス不調などが原因で、従業員のパフォーマンスが低下している状態
- 従業員の健康課題
- 従業員の健康状態の変化
- 健康状態による損失・影響
1.従業員の健康課題
定期健康診断やストレスチェックの各種データを分析し、従業員の心身の健康保持・増進に向けた重点課題を特定しています。2025年度の分析結果に基づき、以下の課題に対して重点的なアプローチを推進しています。
| 健康課題(領域) | 現状と分析データ | 生じるリスク・影響 |
|---|---|---|
| 生活習慣病 | 男性は40代、女性は50代から増加傾向が見られる。 | 重症化に伴う各種合併症の発症リスク |
| BMI | 全体の約7割は標準体重(18.5≦BMI<25)だが、男性の2〜3割が肥満傾向(年齢とともに増加)、女性の2〜3割が低体重傾向にある。 |
男性: 生活習慣病の発症・重症化 女性: 貧血(疲れやすさ・だるさ)、腰痛 |
| 喫煙 | 喫煙率は男女ともに全国平均を下回っており、着実に減少傾向が継続している。 | 各種疾患リスク、周囲への受動喫煙の影響 |
以上のことから、「BMI」、「喫煙率」、「メタボリックシンドローム」にかかわる指標を設定するとともに、メンタルヘルス関連の健康状態の改善を目指しています。ストレスチェックより「身体愁訴」の数を基にした指標を設定し、これら4点を健康管理指標として定めました。
健康管理指標環境・社会データはこちら
- 「≦」は小なりイコールを表します。
- 「<」は小なりを表します。
- 「=」はイコールを表します。
- 「÷」は割るを表します。
- 生活習慣病の有無について
- 脂質異常症LDL-C160以上+TG400以上
- 高血圧症BP160/100以上
- 糖尿病HbA1c6.5以上
- BMI適正者比率:18.5≦*BMI<25の人の割合(*BMI = 体重kg ÷ (身長m)2)
- 喫煙率:喫煙者の割合
2.従業員の健康状態の変化
コロナ後の航空需要回復による生産量の増加に伴い、ANAグループ全体で身体愁訴率が上昇傾向にあります。その他の項目は、健康経営における各施策の推進により概ね堅調に推移しています。
| 指標 | 目標値 (2030年3月) |
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BMI適正者比率 | 70.0以上 | 67.7 | 67.6 | 64.8 | 67.5 | 67.4 | 67.1 | 66.0 | 65.5 |
| 喫煙率 | 20.0未満 | 28.8 | 27.3 | 24.9 | 23.6 | 23.2 | 23.1 | 22.5 | 22.4 |
| メタボリックシンドローム該当率 | 12.0未満 | 15.8 | 15.2 | 17.5 | 13.6 | 13.6 | 13.2 | 13.1 | 12.5 |
| 身体愁訴該当率 | 20.0未満 | 24.1 | 26.2 | 26.6 | 22.2 | 25.6 | 25.7 | 26.1 | 22.6 |
| 指標 | 目標値 (2030年3月) |
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BMI適正者比率 | 70.0以上 | 72.7 | 73.4 | 70.8 | 69.9 | 68.5 | 69.1 | 70.3 | 71.1 |
| 喫煙率 | 3.0未満 | 6.5 | 5.2 | 3.6 | 3.5 | 3.6 | 3.4 | 3.6 | 3.9 |
| メタボリックシンドローム該当率 | 1.3未満 | 2.0 | 1.5 | 2.4 | 1.8 | 1.6 | 1.4 | 1.6 | 1.8 |
| 身体愁訴該当率 | 30.0未満 | 33.5 | 41.3 | 33.4 | 30.6 | 38.5 | 39.9 | 39.9 | 35.6 |
| 指標 | 目標値 (2030年3月) |
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BMI適正者比率 | 75.8以上 | 72.9 | 72.5 | 67.8 | 74.3 | 73.7 | 73.4 | 72.7 | 70.6 |
| 喫煙率 | 11.7未満 | 17.2 | 16.7 | 14.5 | 14.1 | 13.6 | 13.7 | 12.6 | 12.8 |
| メタボリックシンドローム該当率 | 9.8未満 | 18.2*4 | 12.9 | 12.6 | 11.2 | 11.1 | 9.5 | 11.0 | 10.6 |
| 身体愁訴該当率 | 15.9未満 | 21.4 | 20.6 | 29.1 | 15.7 | 20.3 | 19.0 | 20.5 | 17.7 |
| 指標 | 目標値 (2030年3月) |
2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BMI適正者比率 | 69.9以上 | 72.6 | 73.0 | 70.1 | 69.1 | 68.4 | 70.8 | 71.7 | 73.8 |
| 喫煙率 | 2.0未満 | 3.7 | 3.1 | 2.6 | 2.3 | 2.4 | 2.2 | 2.1 | 1.8 |
| メタボリックシンドローム該当率 | 0.8未満 | 1.6*4 | 1.0 | 1.5 | 1.3 | 1.0 | 0.9 | 1.2 | 1.0 |
| 身体愁訴該当率 | 23.5未満 | 41.9 | 37.6 | 30.4 | 22.3 | 30.3 | 35.3 | 38.4 | 33.3 |
- *4.2018年度より指標の定義を一部変更。(2018年度実績の旧基準:男性11.1 女性1.4)
- BMI適正者比率:18.5≦*BMI<25の人の割合(*BMI = 体重kg ÷ (身長m)2
- 喫煙率:喫煙者の割合
- メタボリックシンドローム該当率:40歳以上のメタボリックシンドローム診断が基準該当の人の割合
- 身体愁訴該当率:身体愁訴が3つ以上の人の割合*身体愁訴(*身体にあらわれている不調な症状 (例)腰が痛い、目が疲れる、胃腸の具合が悪い、など)
- 定期健康診断後の精密検査受診率 99.3%
- 要管理者に対する保健指導等の継続率 100%
(*いずれもANA個社の実施状況)
3.健康状態による損失・影響
健康関連コストのほとんどは、プレゼンティーズムによる損失(従業員の生産性低下)となっており、一人当たり健康関連コストは以下のグラフの通りとなっています。
- 2025年度


アンケート回答者のうち、アブセンティーズムとプレゼンティーズムの設問両方に回答した人(7,771人)を対象として算出。
医療費はレセプトデータから算出。
- *1. プレゼンティーズム=[プレゼンティーズム損失割合]×[2025年度の一人当たり年収(給与&賞与)] アブセンティーズム=[アブセンティーズム(日数)]×[2025年度の一人当たり日収(年収を365日で割った額)]